平成30年胆振東部地震

北海道胆振東部地震は記録によれば、2018(平成 30)年 9 月 6 日 3:7:59.3 に発生。
胆振中東部を震源とし、マグニチュード 6.7、震源の深さは 37km、最大震度は震度 7。
当初はデータが届かない地点があって、最大震度は安平町の 6 強だったのだけれど、厚真町鹿沼で震度 7 を観測していたことがわかった。

kAzz の備忘録として書いておこうと思う。
それほどのインパクトを地域にも、kAzz にも受けたのだから…


主な(5 以上の)震度は、Wikipedia によれば、

7 厚真町
6強 安平町、むかわ町
6弱 札幌市(東区)、千歳市、日高町、平取町
5強 札幌市(北区・清田区・白石区・手稲区)、苫小牧市、江別市、三笠市、恵庭市、長沼町、新冠町、新ひだか町
5弱 札幌市(厚別区・豊平区・西区)、函館市、室蘭市、岩見沢市、登別市、伊達市、北広島市、石狩市、新篠津村、南幌町、由仁町、栗山町、白老町

とのこと。
函館の「5弱」は細かな分布図を見ると、恵山での震度であって市街地は「4」のようだ。

直前の 9 月 5 日朝にかけて、北海道付近を通過した台風第 21 号が記録的な強さだった。
この台風の暴風で6人が負傷、建物の損壊や停電や鉄道の運休などがあり、「次から次へとだな」という印象があった。


■時系列

●発生時

当然のことながら、寝ていた。
水曜日の夜~木曜日朝にかけてのタイミングで、「台風一過」ということもあり、むしろ個人的には大きなトラブルが無かったことに安堵していた。
直前…多分、数十秒前にスマートフォンの緊急アラートが鳴ったので、目が覚めたのが正確な流れ。
揺れは 20 秒程続いただろうか?
最初の突き上げが大きかったが、東日本大震災の時のような、大きなうねりのようなものは無かった。
自宅に何も問題が無かったので、すぐに眠りに戻ってしまった。
この点は我ながら「暢気すぎる」と思っているが、「何かあったらまた鳴るさ」という思いもあったからだ。

●停電確認
起床予定の約 1 時間ほど前の、6 時を少し過ぎたタイミングだったと思う。
尿意から目を覚まし、トイレへ向かうが照明と換気を兼用したスイッチを押しても明かりが点かない。
いや…正直に言えば、スイッチを押したのに暗いままだと思い、再度スイッチを押したのだ。
一瞬なにがどうなっているのか分からなかった。
我が家はマンションタイプの賃貸物件で、「コレが?」という短い廊下に出ると、玄関上のセンサーライトが点る。
その明かりを頼りにトイレに入ることになるのだが、自動な点灯故に自発的な操作はなく、特に違和感も感じなかった。
結果として、トイレを出てから改めてセンサーライトが暗いままだと気付いた次第だ。
寝室に戻り半ば呆然となりながら今後を思案していると、隣のベッドの上で相方が目を覚ましたので「停電」と一言伝えた。

●1日目起床時刻
なにせ停電だったのもだから、既に記者会見等があったことも分からず、スマフォで震度やら停電状況やらを調査。
こういう時に限って、北海道電力のサイトが役に立たなかったのがマイナスポイント。
右往左往しているのは分かるが、情報を集約&発信はこういう時こそ重要。
どうやら停電はすぐに解消はしないだろうと分かり、水シャワーを浴びることにする。
こういう時こそあまり出歩かず、トラブルを避ける&何らかの備えをするものだろうが…ブラックな企業だ。

●1日目日中
出社時にラジオで「魚長が 9:00 オープンします」という情報があったので、家人へ SMS 送信する。
オープン直後では無いが、同店でカップ麺とお菓子を入手したと家人から SMS 受信。
災害時も運用できるようにと発電機を備えたスタンドが数カ所あるが、出社時にそれへの長蛇の列に引っかかる。
どうも 4 ~ 5km 程の渋滞だったようだが、途中から気付いて残り 1/3 程は避けられた。
仕事もなく、会社が手配した発電機で最低限の指示された接続だけを行う。
お昼はとにかくコンビニを数軒周り、カップ麺を調達。
セイコーマートとファミリーマートが、ハンディのスキャナーでバーコードを読み取り販売していた。
ちなみにローソンは早々に全店閉店状態で、セブンイレブンは店によりって感じだったな。
同級生 LINE から基地局がお昼頃までしか持たないのではないか?という情報が寄せられていたが、電波が無くなっていることに 15:00 頃に気付く。
WiFi も 4G も切断された状態では緊急連絡もままならないので急ぎ帰宅することにする。
セイコーマートに寄り道し、ドリンク系を購入して帰宅。
もっとも遅くなると信号が無い交差点では、ドライバー同士の表情が見えないと危険なので、明るいウチに帰ろうとは思っていた。
セイコーマートはには本当に感謝している。
聞くところによると、こういうことも想定して機器を配布(多分例のハンディスキャナーかと)し、1,100 店舗中 1,050 店が営業していたとか。
Twitter などにも上がっていたが本当に「神対応」だと思う。

●1日目夜
以前カー用品店の会員プレゼントでもらっていた、小さな LED ランタン(電池式)があったので、明かりには困らなかった。
電気以外は問題なかったので、とりあえず「冷凍庫の中身救済」という名目で、食事はしたがそれ以外は全くできなくなった。
スマートフォンで情報を時々取得しつつ、時間が流れるのをまっていた。
夜間窓から外を見ると、明るい一帯があったので「あれはなんだ?」と思っていたが、どうやら 16:00 台後半から電力が一部回復し始めていたらしい。
そういう情報も入ってこず、「なんだろうね?」「街灯や非常電源が点いているところかね?」なんて言っていた。

●2日目朝
僅かな希望で起床するも、停電は回復していなかった。
昨日湯船に溜めていた水で、相変わらずの苦行のようなお風呂(シャワーの変わりに湯船の水で洗い流す)。
相変わらずのブラック企業に出社。
もっとも、この日には多分復旧するだろうという見込みもあった。
というより、各所からの情報から会社付近は通電していると確信していた。
実際に最後では無いものの、我が家は後半に復旧した「割と遅い方」な地域だったのだ。

●2日目日中
出社直後に「ネットに繋がらないんですけど…」と言われるも、当たり前だ!あちらこちら通電すらしていない(容量制限がある発電機つなげてあるから一部通電させていない)。
発電機から通常の電力に切り替える準備をして一段落した。
自宅からの連絡では 8:50 頃に通電したとの連絡があったので、この日は定時まで仕事する覚悟をする。
別棟な kAzz は通電していたので、社内にあるテスト用 UNIX 系の確認などをメインに作業。
お昼は自宅に戻り、カップ麺を食べ AM 作業で汗だくだったのでシャワーを浴びる。
冷水ではないシャワーは快適だ。
午後は少し残していた週末の作業を片付ける。

●2日目夜
色々情報収集が出来たし、TV では最も最悪な状況である震源地の情報も見られた。
思っていた以上だ。
震度 7 はやはり厳しい。
食事は前日、冷凍庫から救出した挽肉を使ったミートソース(肉多め)でパスタ。

水道もガスも通っているのに、停電なために給湯器が使えないというジレンマからも解放された。
本当に電気が通って「普通に生活できる」ことがありがたい。

●3日目
東日本の時も熊本の時も大きな地震(5 ~ 6)の二日後に本震(7)があったということなので、用心するに限ると気を引き締める。
ガソリンが 1/4 を切った所だったので、給油に向かうとスタッフ給油のみだが満タンOKとのこと。
聞いてみると、前日は地下タンクが満タンだったのに1日で売り切ったとのことだったので、来て良かったと思う。
渋滞もほとんどなく、5 ~ 10 分程の待ちで給油できた。
これでしばらくは車の燃料も心配しなくて良い。
「心配無い」ということが精神衛生上、こんなに良いことかと改めて実感。
昼食は某ファミレス系のレストランで食事。
ランチメニューはお休みで、グランドメニューのみとのことだった。
昼食後、まだまだ予断は許さないという意味から、若干日持ちするものを多めに購入。
しかしながら、相変わらず弁当用にと思っていた冷凍食品はなかった。
牛乳などもなかったが、店によって肉や玉子が豊富とまでは言えないものの、ちゃんと売っていたので助かった。
予想していたことですけどね。
無いと思うと食べたくなるもので、豊富とは言えないまでも購入できた、某ベーカリーのパンを中心に夕食。


■被害
メンタルや「水シャワー」の件は置いておくことにして、実質的なものだけを列挙する。
ランタンや電池は買い置きしてあったものや、自宅にあったもの。
これらも計上はしない。

●物理的被害
倒れたり壊れたりしたものは無い。

●風呂場の湯船に溜めた水の水道代
結果的にほぼ使わずにのこったので、通電後のたまった洗濯時の給水に使ったからチャラ。

●買い置きした飲食物など
こちらも最終的には消費するからチャラ。

●給油
タイミング的には早く給油したのだが、結果は使うしチャラ…としたいが、普段はセルフだったのでトータル数百円高く付いたことになる。

●冷蔵庫
一部は救済したが、弁当用の冷凍食品を中心に壊滅。
家人に聞いたところ、トータルで 5,000 円分くらいかな?と。

●食事
冷凍食品がダメになったことから、弁当が数日食べられずに外食になった分。

なんだかんだで、7 ~ 8 千円というところか。
1 万円までは行かなかったという感じですか。
最終的にはチャラになるものの、買いだめ分で「一気にお金使った」感はありますね。


■あって良かった

●セイコーマート
いやいや「神対応」確かにです。
ファミリーマートもハンディスキャナーで頑張ってくれた。

●保温バッグ
買い物などに使う、保温効果のあるバッグ。
断熱用に何らかの詰め物(薄いが)をした上に銀色の内張を貼ったものだ。
上部は普通のチャックなので、クーラーバックスほどの密閉感は無く、簡易的なものだが無いよりマシ。
停電時に即座に保冷剤を救出し、飲み物等を保存した。

●スマートフォン
パケットが届く間はネット経由のラジオと各サイトでの、それ以降はワンセグでの情報収集。
海外ではラジオ(ネット経由でなく直接電波を拾う)機能が付いたものがあると聞くが、これは必要じゃないだろうか?

●モバイルバッテリー
kAzz 自身は通勤時等に車で充電できたのでほぼ問題なかった。
家人が残り少なくなった時点で少々使用した。
(モバイルバッテリーで充電中に電力回復というタイミングだった)
実際に使わないとしても安心感がある。
スマートフォンが大容量化する直前のものなので、新しいものに買い換えたいところだ。
(車のジャンプスターター機能がついたものならなお良い)

● LED ランタン
某カー用品店でもらったランタン。
これが明るいのなんのって!
家族は二人なので、これひとつで充分だった。
夜間撮影用の小型の非力&安い懐中電灯も持っているが、ほとんど使わなかった。
(二人が別の行動をしなくてはならない場合にちょっとだけ)

●乾電池
家の電池はほとんど充電池に変えてあるが、一部乾電池を使用している。
その関係で、単 4 型 6 本パックがひとつ、 単 3 型 5 本パックが 3 パック、その他バラでそれぞれ数本ある。
前述ランタンに 単 4、懐中電灯に単 3 を投入してすぐに使えた。
全て充電池に変えたとしても、乾電池のストックは非常に有効だ。


■あると良かった

●クーラーボックス
保冷バッグより効果が高く、保冷剤も長持ちするだろう。
アウトドアに興味が無い kAzz としては費用対効果を考えると、保冷バッグで良いかなとも思う。

●ラジオ
バッテリー等で動く TV が有れば最適なのだろうが、大きな電力を消費してしまうので、今回のような長丁場には向かない。
そうなると、出来るだけシンプルな省電力のラジオが有効だろう。
おかげで地元コミュニティ FM がずっと放送していてくれたので、これを聞くことで情報が沢山入ったに違いない。
車上で過ごすことも考えたが、ガソリンを温存したいという思いもあるので、携帯ラジオが必須かもしれない。
実は、GW 前あたりからやたらとラジオ(携帯・ポケット)が欲しいと感じていた。
お店にて物色したりもしていたのだが、何となく後回しにしたいた…このツケか?

●大型バッテリー
最近思うのだが、100,000 mAh クラスのもの。
50,000 円前後で販売されているのだが、これがイザという時に関心感に繋がるだろう。
勿論、実際に役に立つに違いない。
それこそ、切れ切れにでも TV を見ることが出来るだろう。
発電機がベストではあるが、排気や騒音が問題だからね。

●キャンピングカー
結論としてあれこれ実現できるのはキャンピングカーだろうと。
勿論、非現実的だけどね…これは本当に冗談。
しかしラジオは必須で、クーラーボックスや大型バッテリーは余裕があれば欲しいかも。


■最後に
まだまだ生活がままならない地域が有るし、直前の台風 21 号の影響やら、その前の関西の地震、さらには中国地方の豪雨…
kAzz は本当にラッキーだったと言うしか無いだろう。
それはそれでとても感謝しているし、被害中の方には申し訳無いと思うが…
個人的には「ひといき」ついた感じがあるのも確か。
そうなると「気が張っていた分」の緩みというか、反動で「ゆったりのんびりしたい」という欲求が出てくる。
「まだまだだけど…どこかホテルとかでゆったりのんびりしたい」と家人に言ったところ、同じ感想だった。
人間とはこういうものらしい。

 

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