Introduction

■ はじめに

「一眼レフが欲しいのだけれど、どうにも躊躇する」という方に「そんなに難しくないですよ」と伝えることが目的です。
一眼レフの魅力(魔力?)の極々一部でもお伝えできればと思っています。
初心者なので、教えるなどということは出来ませんので「一緒に頑張りましょう!」という感じです。

まずは、一眼レフというものはどんなものか?という点に関して思ったことを記述してみたいと思います。
一眼レフ歴は半年ちょっと(執筆時)のペーペーですので、至らない点が多々あると思います。
自分自身の勉強も兼ねて書いているとということで、おおめに見てください。

分からない言葉があったら、用語集を見てみてください。
用語集にも無い場合には、追加掲載の要求をしてください。
出来るだけ、ご要望にはお応えしようと…思ってます…更新でき次第となりますが。

■ フイルムの一眼レフとの違いは?

フイルムの一眼レフを使っていた方なら、全く問題なくデジタル一眼レフ(最近は「デジイチ」と呼ぶそうです)を使えるでしょう。
次項以降の説明も読む必要は無いと思います。

唯一違う点は記録媒体です。
フイルムカメラは文字通り、フイルムへ記録(撮影)しますが、デジタルカメラの場合には撮像素子が読み取り、メモリーカードへ保存します。
もちろん他にもデジタルならではの設定等の違いはありますが、フイルムカメラでの知識や経験はそのまま活用できるでしょう。

フイルムと違い、メモリーカードに保存するということは
・ほとんどの場合、液晶画面でその場で確認でき、現像なども不要
・簡単にPCなどへ取り込み、画像の加工が可能
・失敗や不要なコマは消去(削除)できる
・コマ毎にISO感度を変えることができる
ということを意味します。
三つめまではデジタル特有のもので、デジタルカメラに興味がある方には説明は不要でしょう。
(たぶん、これらの内容からデジタルに興味を持たれてるのでしょうから…)
最後の項目ですが、フイルムカメラの場合、ISO感度はフイルムで決まります。
つまり、ISO感度を変えようとした場合には、フイルムを換える必要があります。
しかしながら、デジタルカメラはISO感度もカメラの設定として変更可能なのです。

大きな問題はゴミ問題です。
撮像素子(CCDやCMOSなど画像を読み取る部品)はフイルムと違い、交換しません。
ボディ内にゴミが入り込み、撮像素子に付着した場合には、そのまま写真に写り込んでしまいます。
ですから、レンズ交換時には今まで以上にボディ内にホコリなどが入らないよう、注意が必要です。
最近ではこの問題を解決すべく、ゴミを撮像素子などからふるい落とす機能が盛り込まれたボディもあります。

違いというワケでは無いのですが、注意しなければならない点が有ります。
それは焦点距離です。
35mm用交換レンズに書かれている焦点距離と、実際にデジタル一眼レフに装着した時とでは焦点距離が違うのです。
ひとえに撮像素子の大きさによるものですが、APS-Cタイプの撮像素子を搭載したデジタルカメラではレンズの焦点距離に対し、1.5倍や1.6倍の焦点距離になります。
例えば、200mmのレンズをNikon D50に装着した場合、その焦点距離は35mm換算で1.5倍の300mmとなるのです。
(フルサイズの撮像素子を搭載したカメラはレンズの焦点距離と同じ焦点距離になります)
実際にカメラに装着した時にどれくらいの焦点距離になるかは、カタログに「レンズ表記の約1.5倍の焦点距離のレンズに相当」などと書いてあります。

例えば、PCを使いDVDへ写真を保存するといったことも可能です。
写真をアルバムに貼り、大量に保管するより、スペース的には大変有利です。
デジタル一眼レフの画像に満足できるのでしたら、デジタルに移行してみてはいかがでしょう?

■ コンパクトタイプとの違いは?

●レンズの交換
なんと言っても、レンズ交換が一番大きな、分かり易い違いですね。
一般的なコンパクトタイプのデジタルカメラ(最近は「コンデジ」なんて言います)のレンズの場合、焦点距離は36~100mm程度です。
しかしながら一眼レフのレンズの場合、10mm程度から500mmや800mmなどはもちろんのこと、1000mmオーダーのレンズまであります。
撮影する被写体や状況に応じて、自由自在にレンズを変えられることが大きな魅力です。
カメラの特性を換え、適切なレンズでクリアな画像を得られるという利点があります。
「なんでも来い」のオールマイティより、専門職の職人の方が良い仕事をするといった感じでしょうか。

●レンズの違い
コンパクトカメラのレンズの直径と一眼レフのレンズの直径を比べてみてください。
明らかに違いが分かります。
直径が大きい程、光を集める面積が大きいことになり、沢山の画像情報を得ることが出来ます。
(要するに沢山の光が入ってくるということです)

●撮像素子の違い
実際に画像を読み取る部分を「撮像素子」と呼び、現在はCCDまたはCMOSが利用されています。
CCDとCMOSの違いなどは専門的になるので、ここでは省きます。
(CCDかCMOSかで選択するのではなく、撮影された画像のサンプルなどから好みの画質のものを選ぶと良いでしょう)
カメラの画質は撮像素子だけではなく、その後に行われる画像処理が大きく作用しますし、単純な比較は出来ません。
ここでは撮像素子の大きさについてふれてみます。
コンパクトタイプの場合、ボディサイズなどの制限から撮像素子が小さい傾向にあります。
映像は光です。
被写体から反射して来る光をとらえて映像にするのがカメラです。
(ちなみに人間の目も目の前のものからの光(の反射)を受けることで見えるのです)
例えば同じ画素数のカメラがあったとします。
撮像素子が小さい=1画素あたりに割り当てられる面積が小さい
撮像素子が大きい=1画素あたりに割り当てられる面積が大きい
という違いになり、前者より後者の方が充分な光を受け取ることが可能となり、キレイな画質となります。
もちろん、これは一般論というか「論理的には」ということなので、必ずしもそうだとは限りません。
しかしながら、経験では撮像素子が大きい程キレイな画像が出力されるのは間違い無いと思われます。
※前述の通り、撮像素子だけが画質を左右するわけでは無く、他の要因も複雑に作用します。

●構造の違い
実はこのことが「一眼レフ」と呼ばれる所以なのですが、若干分かり難いかもしれません。
まずは一般的なコンパクトタイプの構造(概略)を見てください。
 
最近ではファインダーが無い下図のようなタイプもあります。
 
どちらのタイプも被写体からの光(像)はレンズを通して、撮像素子へ一直線に送られます。

では、一眼レフの構造(概略)を見てください。
 
撮影前段階では、レンズから入ってきた像はミラーの反射を利用して、ファインダーへ送られます。
ここで、各種設定や確認を行った後、シャッターを切る(押す)ことになります。
 
シャッターを押すとミラーが跳ね上がり、像が撮像素子へ送られる仕組みです。
(もちろん、撮像素子へ送られた像が撮影のためにメモリーカードへ記録されることになります)
ひとつのレンズ(眼)を使用し、(ミラーによる)反射(reflex)を利用したカメラという意味のなのです。
ですから、シャッターを押す直前まではファインダーに像が見えていますが、実際に撮影(記録)する瞬間はファインダーから像は見えません。

※上記のふたつの図の中にあるふたつのミラーのうち、上部のものは(一般的には)本来「ペンタプリズム」である。
プリズムの光の屈折を複雑に利用し、レンズからの像をファインダーへ送る。

■ 必要なものは?

デジタルに限らず、一眼レフは「本体とレンズはバラ売り」が基本です。
(レンズキットはメーカーが初心者にも分かり易いようにと、セット販売をしているにすぎません)
このことをふまえ、最低必要な機材はレンズと本体(ボディと呼びます)とメモリーカードです。
一式持ち歩くためには、カメラバッグも必要ですね。
その他、カメラを固定する三脚などがあれば良いでしょう。
(バッテリーや充電器は標準で本体に添付されています)

では、レンズはどのようなものが良いのか?
レンズは「歪み無く、正確に被写体をとらえる」ことが重要です。
こればかりは「評判」や「口コミ」などに頼らざるを得ないのですが、分かり易い指標がふたつ程あります。
それは「焦点距離」と「F値」です。
それぞれの意味は用語集を見ていただくとして、どんなレンズだと良いのでしょう?

ひとつの考え方として、レンズとセットになったものを購入するというのはいかがでしょう?
各社、デジタルカメラに特化したレンズを格安でセットにしてくれています。
まずは練習だと思って、セットのレンズを「使いこなせるまで」撮影してみましょう。
自ずと、自分が撮りたいものが見えてきて、それに必要なレンズも絞られてきます。
むやみやたらとレンズを購入しても、底なしのレンズ沼に落ちていくだけですから…

もうひとつの考え方として、機動力を重視するというのはいかがでしょう?
一眼レフはレンズを外すと無防備になります。(レンズを装着する部分が大きな穴となります)
この状態で、ゴミやチリなどが入り込むと写真に写り込んでしまいます。
できるだけ、レンズの交換は避けたいところでもあります。(屋内で行う方がベター)
このような観点から「焦点距離のレンジが広い」かつ、「使用頻度が高いと思われる焦点距離」のものを選んでみましょう。
最近、人気の18~200mmのレンズなどが最適ではないでしょうか?
広角から望遠まで広くカバーしているので、ちょっと出かける程度ならこれ一本で充分です。

ひとつだけ注意して欲しい点があります。
レンズとボディは各社「マウント」というものがあり、それぞれ別々の方式となっています。
例えば、NikonのレンズはCanonのボディに付けることは出来ませんし、その逆も同様です。
ボディに装着可能なレンズなのかどうかだけは、しっかりとチェックしてください。

メモリーカードに関してですが、サイズは1Gを目安にしてはいかがでしょう?
一般的に、600~800万画素のカメラでしたら充分に沢山の撮影が可能です。
1000万画素クラスのカメラや、「とにかく撮りまくる!」という場合には2Gがお勧めです。
ご自身の撮影スタイルに合った容量のカードを選択してください。
画像1枚に対する容量の目安がカタログなどに記載されていますので、それを参考にしてみてください。
(1000M(メガ)が1G(ギガ)ですので、お間違えなく)
個人的な感覚ですが、2Gのメモリーカードを購入するなら、1Gのカードを2枚買った方が良いような気がします。
万が一破損しても、半分の容量は生き残ることになりますから…
※極端に安いメモリーカードはうまく動作しない場合がありますのでご注意ください。(メーカー推奨がベター)

ボディ、レンズ、メモリーカード、三脚、バッグ…最初はこれくらいを目安に揃えてみてはいかがでしょうか?
もし、シャッタースピードが極端に長い撮影を沢山するのであれば、リモコンなどを「ぶれ対策」で購入しましょう。
(例えば夜景、花火、天体などの撮影の場合にはシャッタースピードを長くする必要があります)

■ そして…

一番の問題は(前項に書きましたが)「レンズ沼」です。
花などをマクロ撮影したい、遠くの景色を望遠で撮影したい…欲望は果てしないのです。
この撮影にはこのレンズと沢山のレンズが必要に(欲しく)なります。

あとは、ライティングですね。
特に室内や、夜間の屋外ではどうしてもスピードライト(ストロボ)が必要です。
しかも、ストロボ自体が発生させてしまう影を消したいために、数台欲しい…

要するに集め出したらキリが無いというのも事実です。
個人的にはまだまだ駆け出しなので、今ある機材で「おぉ~」と唸ってもらえる写真を撮ることが目標です。
まだまだ、機材の増強は先になりそうです。
本業や日々の生活で、撮影自体がままならないのも事実ですが、頑張っていくしかないですね。
自分自身、「まずは技術かな?」などと考えています。